優しく、それでいて強く、私は龍ちゃんに導かれるまま抱きしめられた。


その感覚が嬉しくて、なんだか涙が出そうなくらい。


そのまま流れるように軽くキスしてくれた。



「ちょ、龍ちゃんここ学校だよ…!」


「じゃあ家ならいいの?」



その質問に答えるよりも前にまた唇を塞がれた。


どうしてこんなに、心地よくて嬉しくなるんだろう。


さっきのモヤモヤなんて、嘘みたいにどこかへいっちゃった。



「授業、戻りな」



私から離れると、龍ちゃんは何事もなかったかのように、私の頭を撫でると優しくそういった。


私はコクンと頷いて、ありがとうございました、と言い保健室を出る。


廊下のひんやりした空気が私の頬を冷やす。



きっと気づかないフリをしてたんだ。


ほんとはとっくの昔からそうだったはずなのに。


先生だから、大人だからって線引きして。


でももう溢れ出るこの気持ち、隠しようにないよ。


私は龍ちゃんのことが…