「好きな人いないなら、付き合ってみるのは?付き合ってるうちに好きになることだってあるでしょう」
「好きな人いないの?東城先生は?」
「東城先生は担任だし優しくしてくれて、憧れ的な存在だから!」
実際、たっくんは優しくてお兄ちゃんみたいな感じだからね。
もちろん尊敬もしてる。
たっくんにはいつも助けてもらってるしね。
「んー、じゃあ長瀬先生は?」
ドキッ………!
「な、なんで?」
「だって、かっこいいから!憧れって感じ!」
ビックリしたぁ…急に龍ちゃんの名前出てくるんだもん。
龍ちゃんに…会いたいなぁ。
龍ちゃん、何してるんだろ。
―ドテッ
「いたっ」
ボーっと龍ちゃんのこと考えてたからか、私は何もないところでド派手にこけた。
「瑞季ちゃん大丈夫!?血出てるよ!!」
「ほんとだ、ちょっと保健室行ってくるね」
「わかった、先生に言っておくわね」
痛い膝のことなんてどうでもよくて、龍ちゃんに会えることが嬉しかった。
