でも、私がたっくんのこと好きだとしたら、透くんとは付き合えない。


私が透くんと付き合えば、たっくんが好きだって言われることもなくなる…


…いや、そんなの透くんを利用してるだけだ…!!



「どうしよう…」


「どうしたの?」


「実はね…………ってたっくん!?」



私が思い悩んでる間に、たっくんは帰ってきてたみたい。



「お、おかえり、たっくん」


「ただいま…ってさっきも言ったんだけどね?」


「あ、ごめん…考え事してた」



たっくんのこと好きなのかなって考えたら、なんとなく恥ずかしくなって目を合わせづらい…



「何か悩み事?ってまぁ、なんとなく予想はつくけどね」


「えっ!?」


「透のことでしょ?」


たっくんのことを考えたから、それがバレたのかと思ったけど、そういえば昨日の告白現場にたっくんいたんだよね。



「透もやるよね。で、瑞季ちゃんはどうするの?」


「なんか、どうしていいかわかんなくて…」


「何を選ぶかは瑞季ちゃん次第だけど…傷付けるのを避けられないことも生きてればいっぱいあるよ」


「傷付けるのを避けられない?」


「そう。恋愛って同情でするものじゃないからね」


「そっかぁ…」


そうだよね。フラフラしちゃダメだよね。


透くんとちゃんと話そう。


相手が本気な分、私も本気で答えなきゃ。