「私ね、すごく幸せなの」


私が急に話し出すと優しい顔で、少しだけ首を傾げた。


「龍ちゃんがいて、たっくんやいずみんがいて。あの日たっくんに連れて行かれたときはどうなるかと思ってたんだけど、今になればほんとに大切な場所なんだ」


「うん」


「だからね、ちょっとやそっとじゃへこたれない!そう今決めた!」


「そっか」


「うん!龍ちゃんありがとうっ!」


龍ちゃんは、ん、と頷くと少し微笑んで、私を撫でた。


「俺も…」


「ん?」


「……いや、なんでもない」


「え、なに!?気になるよー!」



―ピンポンパンポーン♪



私と龍ちゃん二人だけの世界から引き戻されるように、文化祭終了の放送がかかった。



「ほら、教室戻りな」


「うん、ほんとにありがとう、龍ちゃん」


「ん」



教室に戻るとたっくんに呼び出されて、脱け出したことちょびっとだけ怒られた。


透くんは一度目があったけど私が気まずくて逸らしちゃった。


…しっかりしなきゃ。