だって今、透くんに告白されたところなのに。

もうあたしは頭がいっぱいでギュッと目を閉じた。


「瑞希ちゃん!!」


すると、遠くから聞き覚えのある声が。

声の方へ振り返ると、そこには人混みの中を掻き分けて走ってくる透くん。

え…待って…


「噂をすれば~!ほら、瑞希頼むよ?」

「いや、待って葉月…」


あたふたしていると、透くんはすぐにあたしの横までたどり着く。


「初めまして透くん!私瑞希の大親友の葉月っていうの!」


横に来るなり葉月は透くんに挨拶をする。

透くんは葉月には目もくれず、軽く会釈をするとあたしの肩をつかんで目が合うように若干屈んだ。

か、顔が近い…


「瑞希ちゃん!俺こんなんやし軽いって思うかもしれんけど、さっきの本気やから。だから瑞希ちゃんにも真剣に考えてほしい。返事はいつまでも待つから。」


それだけ…じゃあね。

と言葉を残して透くんは去ってった。