「せっかくだし二人で回ってきなよ!」

「うんうん、千明ちゃん楽しんできて!」


あたし達がそういうと、千明は頬を少しだけ赤らめて、ありがとう、と呟いた。


千明と別れてから、桃花といろんなところを回った。

体育館の前を通りかかったとき、ステージに見覚えのある人を見つける。


「あれ?和田先生?」


桃花も気づいたらしく、自然と足は体育館の中へ。

体育館の舞台上にはピアノが置かれてあった。
いずみんはその前で、マイクを持って何か話してる。

一番遠くの入り口に立っているので、声が聞き取りづらい。


「もうちょっと前行ってみようよっ!」


桃花にそう言われ、かなり前の方の席へ。

相変わらすいずみんは客席を見回しながら何か話してた。