「なんか変わったもんな、お前」

「え、そう?」

「前に進めてるのかもな!」


蒼太には、昔話したことがある。

お父さんとお母さんのことも。
親戚の家のことも。

気にかけてくれてたんだね。

―ありがとう、蒼太。

そんな意味を込めて、あたしは蒼太に微笑んだ。

そのまま電車は、透くんの駅へ、蒼太の駅へ、それからあたしが降りる駅についた。

今日はケーキでも買って帰ろうかな。
いつものお礼として。

そんなもんじゃ足らないけど、でも形で返していきたいと思ったんだ。

ケーキの箱を手に下げて、あたしは家に帰ったのであった。