―バコッ!


「いったあ!誰や……あ。」

「来い」

「嘘、ごめん、ちょっと調子のりました!ごめんなさい!やめて!痛い痛い!」


首根っこを捕まれ、透くんは連行されましたとさ。
もちろん、龍ちゃんに。

騒ぎが起きてるのを見に来たのか、透くんだから来たのか。
よくわからないけど、とにかく手に持ってたファイルで透くんの頭を後ろから叩いたっぽい。

頭を押さえる透くんが遠くに消えたからか、周りで見てた人も気になりつつもぞろぞろとその場から離れる。


「なんだ、嘘か?」

「う、うん!あんなの嘘だよ!」

「ふーん。ま、教室行こーぜ」


蒼太の機嫌も直ったようで、いつも通りに戻ってた。

なんだったんだ、今の二人は。
透くんもなんでわざわざ言ったんだろう?

わからない。男の子の考えることは…