長瀬先生が出ていき静かになった部屋には、時計の音が響いた。

この気まずい沈黙を破ったのは、東城先生だった。


「泉は?」

「ん?」

「吉谷さんがここに住むこと許してくれるよね?」


東城先生の笑顔はいつもと同じはずなのに、どこか怖さを感じた。
嫌だなんて、と言わせないよ?という意味が、笑顔に込められてるような気がして…

その雰囲気を和田先生も感じたのか、あーもう!と頭をかいた。


「もう勝手にしろ!俺は何かあっても知らねーからなぁ!」


フン、とでも言うように、顔をプイっと背けた。

それから乱暴に立ち上がり、乱暴に歩き、乱暴に部屋を出ていった。