「瑞希、これおいしい」

「えっ」


龍ちゃんが……瑞希って……
あたしの名前呼んでくれたの初めてだ…

あたしが座ってる場所は龍ちゃんの隣。
前のいずみんとたっくんは二人でお話ししてる。
きっと今のはいずみん達には聞こえてない。


「……好き」


ドキンッ……

あたしの目をちゃんと見て、ふんわり微笑んで。

龍ちゃんが好きって…
いや、好きなのは料理。そう、龍ちゃんは料理が好き。
胸がドキドキしてるのは、ちょっとびっくりしちゃっただけ。

それでも固まってあたしはもう龍ちゃんから目を離せない。

ほら落ち着いて、あたし。
龍ちゃんはもうあたしのこと見てないし、あたしがこんなに龍ちゃんを見てたら不自然でしょ。

そう頭ではわかってても、どうしても体は動いてくれなくて。