「ちょっと蒼太!止まってよ!あたしは千明たちの…っ」
「大丈夫大丈夫、あいつらが仕組んだことだから」
「はぁ!?何言ってんの?」
能天気にハハッと笑う蒼太の手を思いっきり振り払って、引き返そうとしたとき、なあ!と呼び止められる。
「これ、お前のだろ?」
そう言って、蒼太はあるものを見せた。
「あ!!それ!あたしの!返して!」
「やなこったー!今日一日付き合ってくれたら、返してやるよ」
「嫌に決まってるでしょ!?」
「ふーん?じゃあこれいらないのかぁ…」
「…………卑怯もの」
「へへん!」
勝ち誇った顔をする蒼太の手には、間違いなくあの無くした先生たちの家の鍵で。
お気に入りのキーホルダーをつけてたんだから間違いない。
なんで持ってるのかとか、どうしてあたしのだって知ってるのかとか、もうどうでもよくて、ただ返してほしい一心で、今日一日付き合うことに。
