「じゃあ、そろそろあたしも行こうかな。たっくん、着付けありがとう!ほんとに助かったよ!」
「いえいえ。楽しんでくるんだよ」
明るく返事をして、あたしは下駄を履いて外に出た。
駅までの道のりをゆっくりと歩く。
千明とのメールを見直して時間を確認する。
よしっ、歩くスピードを考えても、時間には余裕で間に合う。
ガタンゴトン、電車に揺られて数分。
駅を出てすぐのところで待ち合わせ。
大きいお祭りだからか、夕方なのに人は多く、遠くからは太鼓の音も聞こえた。
早く来ないかなーなんて、考えていると後ろから肩をトントンと叩かれる。
「ちあ……き?」
「オッス」
振り向けばそこに、千明たちの姿はなく、あるのはあのサッカー馬鹿で。
「なんでいんのよ」
「ひでーな、それはないだろ!?」
「あたしは千明たちのこと待ってるの!」
「いーじゃん、行こーぜ?」
「は?ちょっと待って!え!?」
手を引かれ、歩く羽目に。
蒼太は人混みの中へズンズン進む。
