数分後、たっくんは臙脂色(えんじいろ)の浴衣を持ってリビングへ戻ってきた。


「お待たせ。どうかな?」


目の前に広がるのは、 臙脂色にピンクや黄色のお花が散りばめられた浴衣。
橙色の帯び。
黒や紺、白が流行る中、赤系の浴衣。

すごく女の子らしくて可愛いと思った。


「たっくんこれすっごく可愛いよ!着てもいいの?」

「他に誰も着てもらう予定はないし、瑞希ちゃんにあげるよ」

「ほんとにいいの…?」

「瑞希ちゃんにすっごい似合うと思うんだ。だから着てほしい」

「へへっ嬉しい、ありがとう!」


にっこり微笑むたっくん。どうしてそんなに優しいんだろう…!

これ着て、明日は千明たちとお祭りー♪
楽しみだぁ!

髪の毛も化粧もバッチリにして、千明たちを驚かそうっと!

わくわくどきどきだぁ!
早く明日にならないかなぁ♪