「…騒いでたけど」

「あ…龍ちゃん…ごめんね」


暗闇でよく見えなかったけど、声は龍ちゃんで、あたしが叫んでたのを聞いてきてくれたらしい。


「あの…よかったら助けてほしいなぁ…なんて。ハハ…」


自分がなんで笑ってるのかもわかんないけど、とにかく今は助けてほしかった。

龍ちゃんは何も言わずベッドに近づくと、たっくんとあたしを離してくれた。

龍ちゃんにお礼を言ってから、自分を落ち着かせるためにリビングに向かった。
ソファーの上で体育座りをして考える。

考えてもわからないことをぐるぐる考えていると、ほっぺに冷たいものが当てられる。
見上げると龍ちゃんが、あたしの頬に缶のオレンジジュースを当てていた。

あたしがオレンジジュースを受けとると、龍ちゃんは隣に座ってペットボトルに入った水を飲み出した。