「あ…」


その正体とは、たっくんだった。

お酒の匂いがするから、酔って間違えて寝ちゃったのかも!
寝かせとこう。

そう思ったあたしは、ゆっくりとたっくんの腕の中から抜け出そうとした。

だが、しかし!!
なんということか、抜け出せない。

がっちりあたしを捕まえてて、どれだけもがいても離してくれそうにない。


「どうしよう…」


もうこのまま寝ちゃおっ

向き合うのは恥ずかしいから、あたしは寝返りをうって逆側を向いた。
そしてそのまま寝るはずだった。

あたしもウトウトし始めた頃、のそのそとたっくんが動く。
お腹に回る手に力がこもり、引き寄せられる。
ついでに足も絡められて、身動きがとれなくなる。