見向きもしなかった龍ちゃんも、あたしを変な目で見る。

何よぉ、みんなしてそんな目で見てー!
ちょっと気分がよくてテンションが上がってるだけじゃないのぉ!

すると急に手が伸びてきて、頬と首辺りに触れる。


「んん…龍ちゃっ…」


冷えた手が気持ちいい。

もっと…


「もっと触ってぇ…」


いつもより潤んだ目で龍ちゃんを見る。
いずみんとたっくんの驚いた声が聞こえるけどお構い無し。

龍ちゃんはというと、あたしの言葉なんか無視して、あたしのグラスに手を伸ばす。
一つ一つの動きが美しい。

龍ちゃんはそれを一口飲むと、少し顔を歪めた。


「あま…でもこれ、酒…」

「え!?酒?瑞希、酒飲んでたの?」

「カクテルっぽい」


カクテルー?
あたしお酒飲んじゃったんだぁー?
へへー♪お酒ってこんなに良い気分になれるんだぁ!