これを超えるクラスに
出会えることはない
って思っているから。

この時点で過去に
しがみついてるんだな。

「あれっもう
  他のクラス解散してる?
  じゃ配ります!」

先生は焦って
学年だよりを配布した。

みんな必死に
自分の名前を探す。

わたしはあろうことか
自分の名前より先に
雅志の名前が
目に入ってしまった。

上野雅志、4組。

わたしは?
同じ列にない。

目を縦軸ではなく
横軸に合わせる。


尾久山実花は、1組だ。


あぁ。終わった。
5年連続は叶わなかった。


担任は明日発表だ。
よく見たら、
仲がいい子も少ない感じ。

若菜がいるのは
せめてもの救いかな。

途端、教室や廊下が
色褪せて見えたのはなぜだろう。


ここから、話は始まる。
わたしはそれに
まだ気づかない。