「うん。
その約束は前回遅刻した時のものだったもんね?」
ニコリと人の良さそうな笑を浮かべてみる。
似合わないことなんて気にしない。
「え…。」
キョドキョドと視線をさ迷わし、わからないからか混乱しているように見える。
これは本当に覚えていないのだろう。
約束はちゃんと覚えておかないと
「この間、次遅れたら…。」
ゆっくりとそう言いながら、待ち合わせ場所であったその電柱のすぐ近くにある、中からリズミカルな音のする扉に手をかける。
そして
「ここの晩御飯おごるっていう約束だったよね?」
約束を忘れてしまった久実に教えてあげた。

