この世の全てが敵だとしても




「何枚足りないんだ?」

いつも人を見下したような表情をしていた中西の、嬉しそうな顔。


中西の表情がわかりやすいせい、何かをしようとしている久実の表情はもっと緩んでいる。


久実の表情はこういう時はわかりやすい。



特にーーー


悪戯を成功させられる瞬間はーーー。


久実がニヤリと笑った表情に、


ーーー教室の温度が下がった。


「えーっと、3本ぐらい?」


その瞳は、中西の頭をじっと見つめている。