この世の全てが敵だとしても



妙な雰囲気を放っているのは仕方がない。


いつも真面目に授業を受ける生徒なんて皆無だ。


今までだって紙なんて無くったって、誰も気にも止めなかった。


配布された紙だって落書きをするためや、ぐちゃぐちゃに丸めてボールにされたり、机に放り込まれていた。

それが突然、

濃い化粧や金に近い髪色をした、いかにもギャル、のような女子、久実があんなことを言ったのだから。



中西が嬉しそうな面持ちなのも、久実が授業をまともに受けようとしているように見えるからだろう。





ーーーーー久実がそんなことするわけがないのに。