「とりあえず、帰ろう。近道があるから。」 「う、うん。ありがとう。じゃあまた明日!」 ─────────────────────…… 「ごめんね、大樹くん。」 「いいよ。別に」 大樹くん、気を遣ってくれてる。 「間違えた。ありがとう」 あたしは言い直した。ごめんねじゃなくて、一緒に帰ってくれてありがとう、だよね。 あたしの言葉に、大樹くんは微笑んで……。 「こちらこそ、待っててくれてありがとう」 そう言ってくれた。 嬉しい帰り道だった。