────────────柚菜・・ッ!!!!! 目を閉じる瞬間、遠くで 私を呼ぶ声が聞こえた。 ”逃げなきゃ。” そう思うのに、 身体から力が抜けていくばかりで、 ふわり、ふわりと誰かに運ばれながら 私の頬は涙で濡れていた。 ──────────・・・ごめんなさい・・。 声が出なくて、謝ることすらできない。 悔しくて、自分の無力さが憎くて、 下唇を強く噛んだ。