ゆびきり

こんなに沢山の人がいるのに、知った顔は直ぐに発見出来るのは何故だろう?

クラスメイトに会って、新年の挨拶を交わしてを数回繰り返しながら、賽銭箱まで漸く辿り着いた。


「結構みんな来てるんだね。」

「まぁ、みんな近場で済ますんだなー。」


何て話しながら、仲良くポケットから5円を取り出し賽銭箱に投げ入れる。

ガランガランと一生懸命に鈴を鳴らし、それより遥かに一生懸命にお願いをする君の横顔が綺麗だ。


「…よしっ。え?‥‥‥んふ。」


お参りしていると、彼女の視線を頬に感じる。

彼女独特の笑い声付きで。


「…さ、おみくじでも引くか?」

「引く!」


お参りも済ませ、おみくじを引きに向かう。


「ね、真剣にお参りしてたね?私より長かったよ。びっくりしちゃった!」


んふふ。と笑う君。


「そりゃ、叶えてもらわなきゃ困るからな。」

「お小遣?」

「そー。」


談笑しながら歩いていると、また知った顔が目に入った。

相手も気づいた様でこちらに向かって手を振っている。


「誰?」

「あー、中学ん時の同級生。」



中学が違う彼女は誰だか解らずに首を傾げた。ほんの少し、声のトーンが下がったのを本人は自覚してないのだろう。