いや、歪ではない。 ただ、繊細なだけなのかも知れない。 模様が織りなした形。 その真ん中に輝るルビーが、 何とも神秘的だった。 「これは……城の『人』が 置いていったの」 「人?」 「つまりは………王族ね……。 でも、この鍵凄いのよ。 どこにでも行けちゃうの。」 「まじか!凄いな。」 「つまり…これさえあれば、 あなたは帰れるの。」 そう言ったトランプの顔は、 嬉しそうな、哀しそうな、 何とも言えない顔をしていた。