いや、でももしかしたら、うちが靴箱にいた時点で、家についてたかもしれへん。 冬真がうちの目の前に立つ。 その顔はさっきと変わらず、うちの目を捉えて放さへん。 そんなにも真剣なのは、なんで? 「笑美がれーくんを変えた。」 「うちが?」 「俺の方が先だったのに。」 「何が?」 真剣なその顔が、すこし歪んだ。 いつもの、優しくておもしろい冬真が、このときは少し怖くて、悲しそうやった。 「と、うま?」 「・・・笑美のことが好きだ」 冬真の言葉が、うちの中で木霊した。