はじめてを、おしえて。



それは先輩がかわゆくて、大事にされるべき天使だから。


そしてきっと、本当に先輩のことが好きだから。


二人を見ていれば、それくらいはわかります。



「……ねえ、大丈夫?」


「え?」


「泣きそうな顔、してる」



気づけば、二人がこちらを心配そうに見つめていました。


里美先輩が小さな声で、ボクに聞きます。



「嫌だったら答えなくてもいいんだけど……

もしかして、誰かに…そういう、嫌なこと、されたの?」


「……!」


「図星かよ……よし、ぶっ飛ばしてやる。

クラスと名前を教えろ」


「違うでしょ晴人くん!」



何も言えなかったボクの態度を、二人は肯定ととらえたようです。


間違いないのですが、ボクは途端にみじめな気持ちになりました。