「あ、例の地味女と野獣」
「すごいよね、自分を妊娠させた男と、まだ付き合ってるなんてね」
「ただの噂でしょ?」
「まぁね。でも去年はすごい大騒ぎだったよねー」
彼女たちは陰で、えげつないことを平気で言っています。
あなたたちの方が、ボクにとってはすごいと思う。
すごく、卑怯です。
それにしても。
妊娠って……。
まさか。嘘です。ただの噂です。
あんな小さな、あどけない少女のような先輩が、あのヤンキーといやらしい事をしただなんて。
しかしそう思う一方で。
ボクの胸は、次第に軽くなっていきました。
いやらしい事をしていた……今も、しているとしても。
カワユス先輩は、汚れてなんかいない。



