指をポキポキと鳴らすヤンキーの背中を、カワユス先輩が叩きました。
「もう喧嘩はしないって約束でしょ!?」
「チッ……そうだったな」
「もぅ!
あ、ごめんね、にらまれて怖かったよね」
カワユス先輩はボクに同情の視線を投げかけます。
「い、いえ……」
「待てコラ、誰が怖いだ」
「さぁ?じゃあね、バイバイ」
カワユス先輩はまことに可愛らしい顔でにこりと笑うと、ボクに手を振って行ってしまいます。
ヤンキーは、彼女の後を大股で、のしのしと歩いていきました。
やがて、ヤンキーがカワユス先輩に追いつき、頭をくしゃくしゃとなでます。
ぼんやりそれを見送っていると、遠巻きにボクたちを見ていた女生徒たちのひそひそ声が聞こえてきました。



