はじめてを、おしえて。



ヤンキーは小さくため息をつくと、カワユス先輩に話しかけます。



「何だったんだ?」


「この子がね、あの人にちょっとぶつかっちゃったの。

それだけなのに、すごい声出して脅すから」


「くっだらねぇ……。

お前は、他人のことにやたらと首をつっこむなよ」


「だって……」


だってじゃねぇ、とヤンキーはカワユス先輩の頭をぽかりと叩きました。



「おい」


「はいっ!」



突然ヤンキーにはるか頭上からにらまれ、ボクは再度チビりそうになります。



「怪我はねぇのか」


「……へ?は、はい」



意外に親切な台詞に、緊張が緩んでいきます。



「ふん。どうする?

やりかえしたいなら、代わりにやってやるが」


「こらっ!」