はじめてを、おしえて。



「おおおおお……」


「これは……」


「そなた、にやけておりますぞ」


「ふふ、斉藤氏の絵が天才的だからです」



周囲から見たら、ボクたちは最高に気持ち悪いでしょう。


だって、男の子同士がからみあい、いやらしいことをする漫画を、笑顔で囲んで見ているのですから。


しかし、もうどう思われようが、知ったことではありません。


ボクたちは、これで良いのです。


二次元の世界に、体も魂も捧げたのですから。


普通の人と、お友達になりたいなどと思ってはいけない。


そうして傷つくのは、必ずオタクの方なのです。


とにかく、下書きは好評だったので、ボクは彼女達にお礼を言って、美術室を出ました。