何とか下書きを終え、ボクは学校にそれを持って行きました。
今日は、美術部がある曜日です。
美術部はオタクの巣窟。
マネージャーさんの言うとおり、部室に行けば、必ず一人はオタクがいます。
彼女達とはまぁまぁ普通に話ができるので、下書きを見てもらい、感想を聞こうと思ったのです。
寝不足でフラフラする足をひきずり、美術室へ向かいました。
「おおっ!漫画ですか!」
「瑛受け、最高だよね!」
ボクが下書きを取り出すと、彼女達は筆を止め、それをのぞきこみました。
この美術部は、真面目に美術に取り組もうという人はとても少ないのです。
真面目にデッサンや油彩を学ぶ生徒はほとんどおらず、
オタクと呼ばれる彼女たちは、いつもケント紙にカラーペンで、漫画のキャラクターを描いていました。



