サークルに入って1年、縁の下の力持ち的な仕事をしてきたボクが、10ページもいただけるとは……!


いつも同人誌に漫画が載るのは、同じサークルで一番上手い魅鈴(みすず)お姉様だけなのです。


ボクはいつも、印刷の手配やグッズの制作、コミケでは売り子をしていました。


しかし、一度。


会報――サークルにファンとしてメールをくれた方に送るメールマガジン――に、ボクはイラストを載せました。


魅鈴お姉様の都合が悪く、〆切に間に合わなかったためです。



「しかしなぜ、魅鈴お姉様がいつもの半分しか書かれないのですか?」


『あー、魅鈴ね、引退するつもりらしいんだってばよ。

こちらとしてはそれは困るから、引き留めてるんだ。

一応今回は、何ページかは描いてくれるらしいんだってばよ。

でもそれだけじゃ、本としてページが少なすぎるから』