「何してんだ?」
「あっ……!」
ボクの手をつかんだのは、藤原くんでした。
いつもの温和なオーラはどこへやら、まるで部活動中のような厳しい目をしています。
その視線はボクではなく、師匠に向けられていました。
「お前、斉藤の何なんだよ」
「あぁ?」
「脅してるんじゃないだろうな?」
「ぶほっ!!」
なんという誤解!!
「あのなあ、俺がコレを脅して、何の得があるっていうんだよ……」
師匠は気が抜けたような顔をして、呆れ気味に答えました。
藤原君はそれもそうかと納得しかけましたが、一応自分なりの危険予測をします。



