「帰れよ」 一人の女子が前に出て、ボクを押しました。 ボクはよろけ、鞄を落としてしまいます。 「あっ……!」 なんという事でしょう。 指定された通学鞄(こんなの持ってくるのは、ボクだけ)の金具が開いて。 中から、教科書やノートが散らばりました。 それだけなら、まだ良い――。 おまけに、昨日から入れっぱなしだった同人誌の下書きが、ファイルから散らばってしまったのです。