考えていたのとは違うイブの夜になった。
台湾料理を食べた後、私は別れるはずだった夏目くんとタクシーに乗って家路に着いた。
家の近くのコンビニで降車して、安くて甘い国産ワインとカマンベールチーズを買い、二人そこから歩く。
それはいつもの夜とほとんど変わらなかった。手を繋がなかったこと以外には。
華奢で小柄な夏目くんと、ただ肩を並べて歩いていると、彼が兄か弟みたいで変な感じだった。
私はまたひとつ知った。これから夏目くんが恋人でなくなったとして、友達や同僚に戻れるわけではない。
私たちが過ごした二年近い時間は、そういうさっぱりと開かれたものとは違う、生暖かくて閉じられたものだったのだから。


