「お爺ちゃん、いってきまーす‼︎」 「いってらっしゃい。気をつけてな。」 「うん。」 ついこの間、お父さんとお母さんのお墓参りに3人で行ってきた。 もう11年も経って悠くんもあまり泣かなくなったし、お爺ちゃんもお墓の前で笑うようになった。 みんなこの11年でお父さんとお母さんの死を受け入れて、心にちょっと余裕が持てるようになった。 「ちょっと待て、結愛。今日は雨が降るらしいから、傘を持って行きな。」 「あ、はーい。」 あたしは折り畳み傘を鞄に入れて家を出た。