「玲奈さん」



「はい」




私とはしきりを立てて隔ててある社長の部屋




いつも社長は私の名前を呼んでくれる





「……忙しかったかしら?」

「いえ」


「明日の夕方時間ある?息子の新に会ってもらえるかしら。明日から変わるといってもまだ社長としてはひよっこだから暫くは私と2人で兼任するわ」





「かしこまりました」



「ありがとう」





暫くは私も社長と息子さんの二人を相手に秘書業務をしなきゃいけないわけね





大丈夫かな





「………そうそう、今から下に降りるから急用以外は取り次がないでもらえる?」



「はい」


「いつもありがとうね、玲奈さん」





社長は笑みをうかべて部屋を出ていった





社長はいつもこの時間に下に行くと言って1時間程席をはずす





それは前社長が亡くなるちょっと前から続いていて




今じゃちょっとした習慣だ