車に乗ってから
私の方が緊張しすぎて
何もしゃべれなかった
ただ道案内しなきゃいけなかったからそういう会話したけど
義務的?
「そこ曲がってもらってもいいですか?」
「はい」
「2つめで止めてください」
「玲奈ちゃんアパートなんだ」
「まぁ」
「マンションとか高そうなとこ住んでいるイメージだったけど、遊びに行きやすくなった」
「遊びに…って、え」
「ほら、高そうなマンションだったらさちょっと格好よく決めてかなきゃダメじゃん?」
そんな決まりないと思うけど
「もうオペラの時まで会えないかと思うと寂しいね」
「それあなただけです」
「そうかな?」
にやりと笑う顔に
ぎくりとした。
何言ってんのよ
私は
寂しくなんかない!!
「じゃぁまたね玲奈ちゃん」
「送ってもらってありがとうございました」
「とんでもない」
「お気をつけて」
「はい」
「おやすみなさい」
「おやすみ、玲奈ちゃん」
バンっと扉を閉める
じゃぁねっとレオさんの口が言っていた
私はおじぎで返事をかえし
車が走り去っていくのを見送った

