「お待たせ」
数分もせずうちに目の前に黒の車が止まった。
「はい、ストップ。助手席座って」
「ここからは本当にプライベートなんで、俺リードするから」
「え」
「もう敬語本当に禁止だからね」
「そんな」
「素の玲奈ちゃんで大丈夫だから」
別に
敬語疲れるわけじゃないですけど
「大丈夫。俺何もしないし」
「ていうかそこあんまり不安要素に入ってないです」
「そうなの」
「はい」
「じゃぁちょっとくらい襲った方が男として見てくれる?」
襲った方がって!???
は!???
「変なこと言わないでください」
「なら男として意識してください」
じっと顔を見られた。
だめ
やめて
「…ちょっと顔赤いよ?惚れてきた?」
「そんなに顔近づけられたら赤くなります。誰だって」
「質問」
「え」
この至近距離で何を!?
「今日、楽しかった?」
「…はい」
「そ。なら帰ろうか」
返事した瞬間
近かった顔が急にはなれていき
緩い笑顔を返された。

