「電話する必要ないじゃないですか。もっと早く止めてくださいよ」


「俺、電話してくれなんて頼んでないけど?」



は!?


「はやくしないと俺どっかいっちゃいますけど」

「待ってください」


「待ってますよ」



「…」



この場合


どうやって連絡とればいいの?


だっていつも会社前に車とめてもらえますか?


って呼ぶじゃん。


レオさんいるじゃんここ。



「考えすぎ、普通に車出してくださいで十分だよ?」




「え」


「玲奈ちゃんその場に対応するのうまいように見えるけれどイレギュラーに弱いね」


「…」


「今の、社長としての俺の言葉だからちゃんと受け取っておいてね」



「はい」



図星さされた。



私が今、社長夫人と新さん両方についている理由は



いきなりどちらかになったとき瞬時に対応できないから。


と言われたんだ社長に。


だから今から新さんのことみて


彼がどんな対応をしていくのか覚えておくようにって








それあんな短時間で


ずばって言われた







「じゃぁ、車回してくるからここでおとなしく待っててね」


「…」



「返事してもらえないと悲しいんだけど」

「はい」




レオさんは踵を返し地下の駐車場へ続く階段を下りて行った。