それはもう



本当に


嵐のようにやってきた



















「社長、花岸様がおみえになりました」


ついに来たか、と決意を固め深呼吸する



「どうぞ」




原田が扉をあけ


その間を希さんが通って部屋へ入った



「今日は急にお邪魔して申し訳ありません」

「いえ」



相変わらずだな


なんていうか雰囲気がさ。

独特っていうか

「今日はどうしても聞いておかなければならないことがありましたのでお伺いしました」



「聞きたいこと……ですか?」



原田から何気なくひよの話だと聞いていたが、実際どうなのだろう



「えぇ。新さんに恋人がいるという話を聞きました」


「………」




ひよのことか。



うわー、もしや修羅場になるか?

ていうか俺希さんとそんな仲よくないしただの勘違い程度ですむのか?



謎だ



「……本当に恋人がおられるのですか?」



疑るような眼差しをむけている希さん



「はい。」




素直に答えた





ここで嘘をついたところでどちらにもメリットはない



強いて言うなら
少しの間、希さんが喜ぶだけだ