話を聞き終わった麗華さんと奏さんは涙を流していた。 「頑張ったわね、礼ちゃん」 「えらいっすね…」 「ありがとうございます」 あたしも涙を流していて、 また先生から頭を撫でられた。 「ここにいる人はみんな礼さんと同じような境遇だから。 もちろん俺も」 「え?」 「俺の場合は、両親が事故で亡くなってさ。 ここの会長ってか、お爺ちゃんとお婆ちゃんに引き取られたんだ」 「そうなんですか?」 「今は、会長たちは海外に仕事で行ってるんだけどね」 先生は遠くを見るように話した。