「結菜、大丈夫だった?」
花由里が小さな声で聞いてくる。
「うん。高科先輩って言う人が
鏡貸してくれてどうにか間に合ったよ。」
あの先輩めちゃくちゃ優しかったな。
「え?もしかして高科快翔先輩?」
「あっうん。で、先輩驚かして花瓶を割っちゃったんだよね……
弁償しなきゃいけないよ...」
「高科先輩って華道の家元の高科だよ?すごいなぁ。結菜。
今度、紹介してよ!」
な・ん・で・す・と
かっかかか華道の家元????
私、そんな人の花瓶割っちゃったの?
ヤバイよ、ヤバイヤバイ。
「それってほんと?」
「うん。それに高科先輩は確か
去年の学祭コンテストNo.1のイケメンだよ」
嘘ぉ。
私、絶体絶命な気がしてきた。
とりあえず、今日すぐに謝りに行かなきゃ。
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