その時、玄関のドアが開いた。 俺は振り向く。 「玲央にゃん!」 美愛の声に俺は立ち上がった。 立ち上がった拍子にテーブルの脚に足をひっかけて、ラーメンがこぼれたけど俺は気にしなかった。 玄関まで歩いていく。 「薬、買ってきたよ」 美愛はそう言って持っていたビニール袋を俺に差し出した。 「…美愛…」 ビニール袋の中には、俺の財布も入れられている。いつの間に盗ってたんだ…? けど、それよりも。 「無事でよかった」 俺は美愛を強く抱きしめた。