「そっか」 茶髪のちょっとくせっ毛。 柔らかく笑うチェロ奏者。 「あ、さっきの… ショパンの別れの曲…?」 「そう… 普通ピアノでやる曲。 チェロで弾くもんじゃないんだけどさ…」 村松先輩はそっと顔をあげて 少し笑って… 一筋、涙をこぼした。 「さっき、彼女に振られたからこの曲の気分」 うっわ… 聞いちゃいけないこと聞いちゃったかな…。 「佐倉美海ちゃんは… 彼女に似てるから前から知ってた」