無我夢中で、真夜んちに向かった。 「美海!」 「真夜ぁぁぁ……」 玄関で待っててくれた真夜に抱きついた。 「これ見てっ!」 ポケットから さっき拾ったつけ爪を出して真夜に渡した。 「なにこれ?」 「陽大の部屋に落ちてたの」 「え? これ明らか女物だよね?」 「しかも薬学部の後輩と長電話してたの」 「浮気?」 うぅっ… 「今日を楽しみにしてたのは あたしだけだったみたい」 「美海…」