出て行こうとするとグッと腕を掴まれた。 「放して」 「財布も持たないで行くつもり?」 直人に自分の顔が見えないように顔を背けた。 「放してよっ!!」 つい、声を荒げてしまった。 「…柚子、そんなに俺が不満ならさぁ…」 そこで声を詰まらせる直人。 何? ほんとに…なんなの? 「別れたいなら、そう言ってよ!?」 「それは柚子のほうだろ!?」 何で私が直人と離れなくちゃいけないの?