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 アパートの外で、奏太は港へ、私は食堂――ってゆぅか家に戻った。

 私は、左手の薬指を太陽に翳(カザ)した。

 もらったばかりの指輪が、光を跳ね返す。

「綺麗…」

 私は呟いてから、スマホを鞄から出した。

 プロポーズされたことを、親友に話したくて。

『あれ?海、どうかしたの?』

 受話器の向こうから、親友、大野美里の声が聞こえた。

「うん、すごくいいことがあったの!」

 美里は、私のお兄ちゃんのカノジョなんだ。だから、親友って以外でも付き合いがあるわけで。

 二人が結婚したら、姉妹になるのかなぁなんて考えたりしたこともある。

『またのろけ話ぃ?』

「…実はね、プロポーズされたんだ♫」