「起きろよ、お姫様」


聖のハスキーボイス。


どうやら俺は、眠れる森の美男らしい。


……多分。


俺たちの、初めての朝。


夜通し、ワイン片手にDVD三昧だったけど、最後の最後でこんなエンドマーク。


少女漫画みてーだけど悪くない。


「……もう一回」


瞳を閉じたまま、ちょっとおねだりしてみる。


しかしその瞬間――


派手に鼻をつままれた。


……うん、想定内。


こうじゃなきゃ、こいつじゃない。


ちょっぴり、ワインの香りがした。


FIN