「青いコンタクトなんかあるわけないだろ」
といじめていた男の子が言った。
「あるわよ。ママが言ってたもの」
「なんだよくそ!」
「うっさいわねかかってきなさいよ!」
今思えば、ゆりの可愛さについ
いじめたくなってしまったのかもしれない。
みんこは強く
正義感のある女の子だった。
「ゆり、平気?また来たら殴ってやるからね!」
と言って、みんこは自分の拳で
素振りをした。
どんないじめを受けても
ゆりは決して泣かなかった。
でも
ゆりはぽろぽろと
静かに泣いていた。
"ありがとう"と繰り返しながら。


